女はしんどいけれど、男もしんどい。ー『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』ジェーン・スー
こういう本を書く人で、ただ毒舌な人って多いような気がするのですが
ジェーン・スーさんは違う。
ちょっと軍隊っぽい独特な語り口調は読んでいると意外と心地いい。
私自身働いていて、かつ独身です。
「結婚しないの?」「子供は早く作った方がいいよ」「老後はどうするつもりなの」ーそんなようなことを、半ば責めるような口調で言われることはよくあり、精神的に滅入ってしまうこともあります。
確かに日本は超少子高齢化。国のためを思うなら、言われた通りに即行動した方がいいと思います。
でも…人それぞれでいいんじゃないのかな、と正直思うのです。
日本にいると、“人それぞれ”という言葉が存在しないのではと思うくらい同調圧力を感じるのですが、その結果みんなが幸せそうかというとそうでもない。他国と比較しても幸福度は低くて、何でなんだろう…とよく思います。
前置きが長くなりました…
今は「女性が輝く社会」というようなフレーズがよく聞かれるようになりましたが、それと同時に「こんな状況で輝けるか!」という現実についてもよく見聞きします。
女性のしんどさは様々で、私自身も身近で感じることは多いのですが、この本で下記の文章を読んでハッとしたのでした。
フルタイムで働く女性が珍しくなくなったいまでも、「女は早く結婚して家庭に入り、専業主婦として子供を育てた方が幸せだ」という論調がしばしば耳に入ってきます。それが和歌で言う下の句だとしたら、上の句はなんでしょう?私は「男は外で稼いで家族を養う」だと思います。
働く女は腰かけなどと言われていた時代もありましたが、こっちから見たら働く男は座り込みといったところでしょうか。
男性もしんどいんだ、ということ…
「幸せ」とか「一人前」とかの“型”がなければ、みんなもっとラクなのになと思います。
この本の中には上記したような仕事や結婚、男女の話から、母親を亡くしてからの話や東京生まれ・東京育ちについての話など、とにかくいろんな角度から“ジェーン・スーの文章”を楽しむことができます。
パッと見は女性向けの本のような気がしますが、個人的には男性にも読んで頂きたいです。実際、著者のインタビューを記事を読んだら、男性読者も多いようなので。