いつかの自分を見るような。ー『泣かない女はいない』長島有
久しぶりに小説を読んだ。
男性が書く、普通の女性の話、ってあんまり読んだことなかったなと思った。
女性が書いたものはたくさん読んだことがある気がするけれど。
男性が書くと、主人公は自分と同じような女性の視点でも、そこに出てくる男性の心情まで読めるのが面白い。
自分の日常を、副音声付きで見ているような気持ち…やっぱり小説はいいな。
起承転結がはっきりした小説じゃないのに、読んでたらどんどん先が読みたくなった、不思議な小説。
もっとうまく立ち回れたかもしれないのに、何かそうできなかった、そんなお話。
いつかの自分を見るようで、思い出のような懐かしさと苦さを感じた。